胃腸風邪のウイルス

胃腸風邪のウイルスには、ロタウイルス、アデノウイルス、ノロウイルスなどがあります。

★ロタウイルス
冬季に流行して白色の水様下痢を生じることから「白色便性下痢」とも言われています。ロタウイルスによる下痢は激しい嘔吐を伴うこともあるため嘔吐下痢症、小児仮性コレラ、白痢などとも呼ばれています。

非常に感染力の強い細菌として知られるロタウイルスは、免疫力の無い6ヶ月~2歳くらいまでの小児なら間違いなく経験してしまいます。特に乳幼児がかかる急性下痢症の80%はロタウイルス言っても過言ではないでしょう。

ロタウイルスによって引き起きる症状の原因は経口感染がほとんどで、唾液や便などの排泄物から口に入り、1日~3日の潜伏期間を経過して下痢が始まります。まず38度以上の微熱と嘔吐が2~3日続きます。その後、やや遅れて、1日数回以上の下痢が1週間くらい続き、腹痛を伴うこともありますが、長くて1週間程度で治まります。しかし、通常の風邪の症状と似ているので見分けにくいのが難点です。

そして、糞口感染を起こすことも多いので嘔吐物や便などはきちんと処理を行い、手洗いを十分行うことが必要となります。注意しなければならないのは、下痢で失われた水分を補給しようとしても嘔吐があることから十分な水分補給ができず、脱水症が急速に進んでしまうことです。

体の水分が不足すると、口から水分を摂っても尿や汗が出なくなったり、尿量や回数が減ったりします。そして体内の水分の量が減ると血液の量もぐっと減るので、ぐったりとして体力が減退します。

★アデノウイルス
アデノウイルスによる感染症は季節性がなくその症状も軽い風邪程度から重症の扁桃腺炎・肺炎・結膜炎・嘔吐下痢症などバラエティに富んでいます。熱、鼻水、咳、のどの痛みなどを伴い、時にはインフルエンザのような症状(高熱、頭痛、悪寒、筋肉痛)になることもあります。

人に感染するアデノウイルスは現在49種類があり、最近では、それぞれの菌がどのような病気を起こすのかもある程度わかってきています。潜伏期は5~7日で、感染経路は便、飛沫、直接接触が主な原因となります。通常は免疫がつくと感染しにくくなりますが、アデノウイルスは免疫がつきにくいため何回もかかることがあります。

アデノウイルスに感染しているかを確かめるには、綿棒で拭い取った咽の浸出液や便を調べることによって、その場で感染を確認できます。しかし、現在はまだウイルスそのものに対する薬は無いため、細菌の混合感染を防ぐために抗生剤を使用したり、熱や脱水症状に関する対症療法を取ることとなります。

★ノロウイルス
ノロウイルスによる感染症は、「感染性胃腸炎」の一つで、多くは軽症に経過する疾患です。
ノロウイルスの集団感染が発生している病院や社会福祉施設では死者が出たことがありますが、ノロウイルスが原因かどうかの特定が難しいのが現状です。ノロウイルスに感染すると、嘔吐・下痢・腹痛が1日~2日続き、37度くらいの熱が出るようです。

ノロウイルスの感染原因は主に食品とあんり、カキなどの貝類がトップとなっています。また、野菜サラダ、サンドイッチ、和え物などの生ものや加熱が不十分な加工食品からも感染がみられます。

【感染経路について】

感染経路は主に口で、子供のオムツを変えたり嘔吐物を処理した時に手をよく洗わず、ドアのノブやタオル等を触ると、そこが感染源となります。また、ノロウイルスが感染・増殖する部位は小腸と考えられており、嘔吐症状が強いときには小腸の内容物と共にウイルスを嘔吐してしまいます。

その嘔吐物が少量でも人について屋外に出ることで、当然そこからの感染が広がることになります。つまり、物から人、人から人へと感染するので、保育所や学校、会社などで集団感染を引き起こすこととなります。

さらに、可能性についてお話ししますと、電車の中での吊革、公衆トイレなど、人の集まるところから帰宅した場合は良く手を洗うことが大切です。このノロウイルスは世界中に広く分布していると言われており、アメリカ、イギリス、フランス、オーストラリアなど多くの国で感染報告があります。

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